管理人日記。
Kiss & Cry / 宇多田ヒカル
被害者意識って好きじゃない
上目遣いで誘って共犯がいい
うんうん、そういうの大好きだ。と思った。(
* * *
高校の友人に誘われて花見に行ってきました。
…葉桜です。青々としてました。
高校のときから比べて、みんなそれぞれの人生が個性的になったなぁと思った
臨月の腹を抱えてきた友人も居れば、
俺のように仕事命に生きようとしている人も居た
なんだか、こうやって集まれるのももうなかなか無い気がした。
俺が夢を追いかければ追いかけるほどそういう距離は出てきてしまうんだよな…
でもやめられません。
叶えられなかったら、死にきれないです
叶えられなかったら、生きていても仕方がないです
あと5年は、命を削ってしまうかもしれないけど、土台を作らなくては、なー。
まぁ心が弱いので、よく孤独に押しつぶされそうになってます。(…
* * *
スマステーションでマイケル・ジャクソン特集をやっていました。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
俺は子供の頃からマイケルの曲を聴いてきた重度のマイケルファンです。
多くのいわれの無い非難を浴びてストレス性の病にかかり、
肌の色素が白くなってしまったことも非難の対象になっていますね。
アメリカや欧米社会では、出ない杭は消されるという傾向にあるのですが、
マイケルは別格だそうで。何をするにも興味の対象、何をするにも非難の対象。
世紀のスターは大変そうです。
音楽史に残る名前より、生で見た方がいいに決まってます。
エリックとマイケルの生きるこの時代に生まれてこれて本当に幸運だなー(´▽`*
俺の持つ最大の奇跡はそれですよw
ハクナ日記。
今日ほど剣の柄が冷たく思えた日はないと思うほど、手は緊張で冷たくなっていた。
昼間の熱気が嘘のように冷え込んだ廊下は、恐怖を感じるに十分だった。
「我が名はハクナ。もう一度言う。そいつを放せ。」
相棒を盾に取られた怒りも相まって、ハクナは沸々と沸騰するような声で言った。
いつもは身軽なユフーラが人形のように硬直していた。相当強く剣が喉に当てられているか、自分がよほど恐ろしい顔でもしているのだろうと考えた。
対峙する男は、一度ゆっくりと瞬きをしたあと、独特な低い声で話した。
「私の名前はグレン=ワーノック。」
ハクナは、ぼんやりとだが、脳内で一つの線が繋がったのを確信した。グレン=ワーノックと名乗った男は更に言葉を続けた。
「今更私から何を奪い返そうというんだね、グレン…いや、ハクナと言ったか。」
ハクナは思わず冷笑して返し、自分の人生を狂わせていた男を見据えた。
「俺に成り代わりその身分。楽しかったか、グレン=ワーノック?」
話を聞いていたユフーラは、判りやすく驚いた顔をしてみせた。自分の居ない間にどうやらハクナは本名を手に入れ、更に敵まで見つけていたのだ。
「お前に何が出来る。」
長身の男は異常なほど冷たい眼でハクナを見つめていた。実際ハクナは名前以外自分の詳細など判らず、本当に何が出来るかなど知る由も無かった。
「ユフーラと、貴様の命。それと、その名だけはいただこう。」
その時、ハクナは耳の奥深くから心臓の鼓動を聞いた。やばい、心の中で呟いた。
「誰がこいつを返すと言った?こいつはここで死ぬんだよ。」
「逃げろ、ユフーラ…」
今度は耳のすぐ傍で聞くような鼓動を聞き、その瞬間ハクナの意識は途切れた。
「やめろハクナ!!」
しかしユフーラの叫び声は届かず、ハクナは爆風を受けたかのように走り出し、グレン=ワーノックに剣を振りかざした。瞬時にハクナの剣を受けたために、ユフーラはその腕から逃げ出すことに成功したが、すぐに振り返り叫んだ。
「やめろハクナ!やめろってば!」
ハクナはグレン=ワーノックに防御もせずただ猛烈な攻撃を繰り返した。その瞳は普段の空色と比喩される色ではなく、エメラルド色に変化していた。それは、ハクナがバーサーカーである証拠でもあった。
「そうか、お前がそうだったのか…!父上の言ったとおりだ…!!ははは!!!」
ハクナのなりふり構わぬ急所を狙い続ける猛烈な攻撃を受けながら、グレン=ワーノックは喜びと恐怖の入り混じった顔をしていた。ハクナはその言葉には微塵も反応せず目の前の長身の男の命だけを狙い続けた。
戦っているうちにハクナの攻撃が命を捨てての攻撃と理解したグレン=ワーノックは、そのうちに恐怖へと顔が変化していったのを、ユフーラは見た。
ハクナの背後からユフーラは近づき、腰から自らの唯一の武器のダガーを取り出した。
「おい、グレンとか言ったな!ハクナはこうなるとお前か自分が死ぬまで止まらないぞ!」
「…。」
グレン=ワーノックは、ハクナの攻撃を防ぐことで手一杯になり、言葉も返せずに居た。
かまわずユフーラは続けた。
「俺がハクナの足をやる。そのうちに逃げろ。いいか一瞬を逃すなよ…っ」
敵を逃すのは惜しいが、ユフーラにはハクナの暴走が止まらないことの方がよほど恐ろしかった。目配せをしてグレン=ワーノックは返事をし、ユフーラは頷いてダガーをハクナの右足の太ももに突き刺した。
「…っ」
ハクナは一瞬バランスを崩し、足を攻撃した「子供」に剣を振りかざした。
「うあぁっ…!」
避けきれず、ユフーラは肩に焼けるような痛みを感じたが、目線は逃がすべき人間を見据えていた。グレン=ワーノックは上手く逃げたようだった。グレン=ワーノックが消えたことによって、ハクナの標的はユフーラにうつってしまった。剣を握りなおしてハクナはユフーラに剣を振り下ろした。
―瞬間、ユフーラの目の前には火花が散った。
顔を上げると、ハクナからユフーラを護ったのは、ハクナだった。
「ハクナ…。」
もう一人のハクナは衝撃を受けたような顔をしていた。ユフーラにはギリギリと押し合う剣の音が耳のすぐそばで聞こえている。
そして、遠くから廊下にもう一人走る足音もきこえ、エメラルドの瞳をしたハクナに、太い木の棒のようなものは、勢い良く振り下ろされた。
ハクナは膝から折れるように落ち、ユフーラに寄りかかるように倒れこんだ。
ユフーラは押しつぶされそうになりながらも必死にハクナの肩を支えた。
ハクナの肩越しには、火の消された松明を持って息を切らせているキースと、ハクナの手から剣の落ちる音、自分を護った「ハクナ」が剣を収める音が聞こえた。
「大丈夫ですか、ユフーラさん。」
ユフーラは、思い切り人間の頭を殴ったとは思えないほど穏やかな声で話しかけてくる男に、ただ安堵のため息を吐いた。
ハクナは、暴走した後は一日中眠って起きないのだが、その日は数十分で眼が覚めた。
気が付くと元の娼館の一室に戻っていた。
身体を起こそうとしたが、頭に激痛が走る。
「いてっ。」
静かな部屋にハクナの平和な声が響く。その声に部屋中の人間がバッとそちらを見た。
一瞬部屋に緊張が走っていたのだが、当のハクナは気付かなかった。
「あ。ユフーラ…」
頭を抑えながら身体を起こした主人に、ユフーラはほっとした顔で返した。
「起きるの早いね、もっと寝るかと思ったけど。」
「ん…。起きたものは仕方が無いさ…。あれ、頭怪我したのか俺。」
自分の頭に包帯が巻かれているのに気付いて、怪訝そうな顔をした。キースはただただ眼を逸らし続けた。
ユフーラは娼婦に肩に負った傷を手当してもらっている途中だった。ハクナはそれを見て全く覚えが無かったが、自分が切ったのだと思った。
「ごめん、ユフーラ。」
「俺が捕まったのが悪かった。ごめんハクナ。俺修行するよ。だから教えろよ。」
別にいいのに、と思いつつ苦笑したハクナに、珍しくユフーラは笑顔で応えた。
そのとき、部屋のドアが開いた。双子の弟のアクターが戻ってきた。手には羊皮紙を持っていたが、それよりも皆は頭に注目していた。
戻ってきたアクターは、ハクナと同じ髪型をしていた。
「ちょ、アクター…その頭は一体。」
「切っちゃった。囮になれるかと思って。」
だが、アクターの記憶は間違っていたようで、前髪の分け目がハクナとは逆だった。
どうやら、命を狙われていたのは双子のうち、兄のハクナだけだったようだ。
それが判ったアクターは長かった髪をあっさり切ってしまった。
話すべき事は多くあるものの、とりあえずは手当てと朝食を摂ることになった。
もうすぐ長い夜が明ける。娼館から客が出て行く音が時たま廊下を賑やかにしていた。
店先では上機嫌で店主が男達を送り出していた。
それもそのはず。キースが莫大な金額を口止め料に払ったらしい。